ケーススタディ

AR(拡張現実)やVR(仮想現実)をショッピング体験に取り入れる

AR(拡張現実)とVR(仮想現実)とは?

AR(Augmented Reality)とは、現実の風景に仮想の情報を重ね合わせる技術であり、VR(Virtual Reality)とは、現実世界とは異なる仮想空間を作り出す技術です。
現代社会において、ARはビジネスからエンターテインメントまで、世界中で広く活用されています。

例えば、店頭を訪れた顧客が商品コードにスマートフォンをかざすと、カメラ越しに見える映像に、商品の情報を重ね合わせて表示させたり、家具の組み立て手順がARで表示されることで、購入~設置までの作業効率を向上させたりすることができます。

また、実際に体験することが困難な状況はVRで再現することができます。
例えばゲーム業界では、地理的な場所をVRで再現することで、あたかもその場にいるかのような体験を提供することができます。実際、広告業界や教育業界でも、このVRをエンターテインメント要素として、コンテンツ制作に活用しています。

本稿では、ARやVRのメリット・デメリット、ARやVRを導入している小売業の事例、導入後の店舗における効果測定方法について、ご紹介します。

ARやVRを活用したサービスのメリット・デメリット

メリット

  • 「商品をリアルと同じように体験できる」
    ARやVRを使用することで、販売している商品の魅力を顧客にわかりやすくアピールできます。
  • 「顧客体験・購買意欲の向上」
    商品をより詳細にイメージできるようになることで、顧客満足度が向上され、購買意欲を高めることができます。
  • 「新規顧客の獲得」
    顧客の心をつかみ、新たな購買層や購買客を獲得するきっかけになります。また、AR・VR体験をスマートフォンで撮影し、SNSや口コミに投稿してもらうことで、認知層の拡大にもつながります。

デメリット

  • 「技術力・コスト」
    ARやVR技術はまだ新しく、技術的な問題が発生した場合、スピーディな修復が難しい場合があります。また、必要な機器やソフトウェアが高価な場合、導入コストが大きな課題となります。
  • 「顧客のニーズに合わせた開発」
    ターゲティングした顧客が求める体験にマッチするよう、ARやVRを活用したサービスを展開する前に、あらかじめ顧客分析をし、適切な機能を絞り出したうえで開発する必要があります。

主なメリットとしては、AI技術の発展で顧客が購入前に商品情報をある程度可視化し、“試す”ことで、具体的な商品のイメージが湧きやすくなり、顧客体験の向上や新規顧客の獲得が期待できることです。

また、バーチャルな世界での体験を、スマホで共有したりSNSで投稿したりすることができるため、認知層の拡大にもつながります。

一方、デメリットとしては、開発にあたって時間的・費用的なコストがかかることや、専門的なスキルやマーケティング分析力を持った人材を確保する必要があることなどが挙げられます。

しかし、世界のAR/VR関連支出額は、2022年の138億ドルから2026年には509億ドルと、今後4年間での年平均成長率は32.3%、支出額は約3.7倍に成長すると予測(※)されています。

※出典:Mogura VR News|世界のXR市場規模は約1.8兆円、今後も年30%以上の成長予測 IDC

小売店舗におけるAR・VRの活用事例

IKEA Placeの「家具・家電のシミュレーション」

IKEAがリリースしたアプリ「IKEA Place(イケア・プレイス)」は、顧客がまずスマホのカメラで部屋の空間をスキャンし、IKEAの家具を選択すると、原寸大の3Dモデルを表示したバーチャルの世界で家具が部屋とマッチするかどうかを確認できます。

実際に店舗に足を運ばなくても家具を置いたときのイメージができるため、購入のハードルや返品率を下げることにもつながります。

出典:IKEA apps

L’Oreal Makeup Geniusの「バーチャルメイクアップ」

ロレアルは、顧客がスマートフォンのカメラで顔をスキャンすることで、顧客に最適な化粧品を提供するアプリ「Makeup Genius(ロレアル・メイクアップ・ジーニアス)」を開発しました。ユーザーは、顔の輪郭、目、唇などに合わせて、選択したコスメをバーチャルで試すことができます。

出典:MarkeZine|1千万DL突破! ロレアルの“化粧品を塗らずとも、簡単にコスメを試すことができる”アプリ

Vivinoの「ARワインアプリ」

Vivinoは、ユーザーがレストランなどでワインのラベルや写真を撮影し、検索できるアプリを開発しました。
ユーザーはレビュー、価格、購入したワインのテイスティングノート、フードペアリングの提案に即座にアクセスでき、世界17の国と地域で入手可能な数十万種類のワインから自分に最適なワインを選ぶことができます。
このデジタル×リアル体験アプリの利便性がワイン愛好家を魅了し、顧客体験を向上させ、現在約5,000万人が登録する世界最大のワイン・アプリ&マーケットプレイスとなっています。

出典:Google Play Store|Vivino: 美味しいワインを手に入れましょう

小売店舗におけるAR・VR施策の効果を、AIセンサーで検証する

リアル店舗を持つ企業の施策の効果測定は、店舗にAIセンサーを設置することで可能になります。

店舗内におけるAR・VR施策の効果指標を見る

例えば、店内に設置したAR・VR体験ブースの利用数や来店客の滞在時間などを計測し、AR・VRによるプロモーション施策が、顧客の行動変化をどのように促したかを判断できます。

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ターゲット顧客の増加につながったかどうかを「来店客の属性」で検証する

AR・VRを活用した新サービスの導入が、あらかじめターゲットとした顧客にリーチしているかどうかは、実際に店舗に訪れる客層を調べて計測します。

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まとめ

ARやVRは、顧客が商品をよりリアルに体験し、購買のアクションを起こす上で重要な役割を果たしています。
小売業界における実店舗や施設でのバーチャルの採用はまだ新しく、こうした技術は今後ますます重要になると予想されます。
これらのトレンドを応用し、実店舗ならではの魅力的なショッピング体験を提供することで、最近のECの発展に対抗できるとも言われています。

小売店舗における様々な施策の効果検証には、ぜひわたしたちがご提供する店舗計測データをご活用ください。


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