イベントの成功には、その効果を正しく測定し、ROI(投資対効果・費用対効果)を最大化することが不可欠です。しかし、多くの企業が直面する課題は「効果をどう測定し、データから課題を見出し、ビジネスの改善に役立てるか」です。
実は、AIカメラを活用することで、精度の高い効果測定や分析が可能になります。本記事では、AIの力を用いてBtoBイベントの成果を数値で可視化し、次回の施策につなげるためのデータ活用方法をご紹介します。
目次
イベントの効果測定とは?
イベントの効果測定とは、開催の成功度やROIを数値化し、分析するプロセスを指します。来場者数、顧客の購買行動分析や商談成功率、顧客の販促物への反応といった様々な指標を用いることで、どの施策が有効であったのか、どこに改善の余地があるのかを明確にできます。
効果測定の重要性
イベントや展示会は、企業が顧客やパートナーと直接交流できる貴重な場です。しかし、開催には多くのコストと時間がかかるため、その効果を的確に測定し、ROIを把握することが重要です。効果測定が不十分だと、次回のイベントへ向けた改善やマーケティング戦略の立案が難しくなります。

幕張メッセ国際展示場に続く歩道橋
イベントの効果測定のための事前準備
目標設定とKPI
効果測定を成功させるためには、事前準備が欠かせません。まず、イベントの目的を明確にし、それに基づいたKPI(重要業績評価指標)を設定します。例えば、新規顧客獲得が目的なら「商談件数」や「リード数(名刺交換数)」をKPIとして設定します。また、データ収集の方法や使用するツールも事前に整備することが重要です。
イベントの効果を測るデータの種類とその収集方法
主なデータの種類
効果測定では、数値で示せる定量データと、数値化しにくいものの重要な定性データの両方を活用します。これらを組み合わせることで、より深い分析が可能になり、ビジネスにおける課題や顧客のニーズを発見しやすくなります。また、効果測定の精度を高めるためには、多角的なデータ収集が求められます。
イベント会場で取得できる定量・定性データ
定量データの具体例
- 来場者数(イベント会場全体・特定ブースごと)
- 滞在時間(イベント会場全体・特定ブースごと)
- 商談件数(イベント内での商談数)
- 成約率(商談が契約・購入に至った割合)
- リード数(名刺交換数・問い合わせ件数)
- SNSでの言及数・シェア数(ハッシュタグの使用回数など)
- アンケート回答数と回答結果(選択式)、NPS(ネット・プロモーター・スコア:顧客満足度調査指標)
- 資料配布数・QRコードのスキャン数 など
定性データの具体例
- 商談時の会話内容(どんな課題を抱えていたか、関心があったサービス)
- スタッフの観察レポート(どの説明が響いたか、顧客が興味を持ったポイント)
- イベントの雰囲気・熱量(参加者の盛り上がり・交流の活発さ)
- クレームや改善点などの意見(イベント運営への具体的なフィードバック)
- 顧客の行動パターン(どのエリアで足を止めたか、顧客が興味を持ったエリア)*会場内にAIカメラを設置することで、定量化できます。
- 競合ブースとの比較(他社ブースの集客状況や注目度)*会場内の各ブースにAIカメラを設置することで、定量化できます。
- 販促物への反応 *会場内にAIカメラを設置することで、定量化できます。(取得データ例:視認率・視聴回数・視聴時間など)
- 来場者の感想・フィードバック(自由回答式アンケート・SNSの投稿)
上記のような定量データや定性データを複数組み合わせて分析すると、より深いインサイトが得られます。
例えば、
- 「会場全体の来場者数は多かったが、商談件数が少なかった」→ ターゲット層のミスマッチ?
- 「自社エリアへの滞在時間が長かったが、顧客の反応がイマイチであった」→ コンテンツへの説明や提供するサービスの質が問題?
などです。

インテックス大阪
AIカメラを活用したイベントの効果測定
AIカメラを活用することで、会場における様々な顧客の動向を収集できます。以下は、AIカメラを活用することで実施できる効果測定の例です。

AIカメラ coumera
1. 来場者数・通行量・滞在時間の計測
- 会場に足を運んだ人数を会場前の通行量で割ることで、入場率(入店率)を算出します。ブースの集客力を評価するための重要な指標です。
- 会場全体における来場者の滞在時間に加え、各イベントブースにおける来場者の流入数や滞在時間を分析することで、来場者が関心を持ちやすい場所や時間帯を特定できます。
2. 来場者の属性調査
3. 販促物・展示物への反応測定
- AIカメラの視線追跡技術を活用し、特定の販促物やサイネージパネルへの視線の集中度を分析します。(例:視認回数や視聴時間の計測。属性(年齢層・性別)ごとの抽出も可能です。)
- 集客効果の見込めるビジュアルや展示方法を特定し、次回の販促物や会場のレイアウトの改善に活用します。
4. 購入率算出(POS連携)
- AIカメラのデータをPOSシステムのデータと連携し、イベントでの購買行動(来場者一人当たりの客単価や購入率)を分析します。
- 来場者数をベースとした購買傾向を算出することで、BtoBイベントのROIをより正確に測定できます。
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AIカメラによるイベント来場者の動向把握と集客施策
AIカメラを活用した展示会イベントでの効果測定の成功事例
ある展示会ではAIカメラを導入したことで、来場者数が前年比30%増加しました。
AIカメラで会場内の販促物への反応率や来場者の属性を分析して広告配信に適用した結果、ターゲットへの効果的なアプローチが促され、来場促進につなげることができました。
また、ターゲット層に合わせて会場内の展示物の見せ方や、視線に合わせて商材の配置の高さや角度などを改善した結果、来場者の滞在時間が増加し、商談機会のさらなる拡大につながりました。
上記の事例のように、AIカメラのデータを活用することで、イベントのROIを最大化する戦略基盤を構築したり、出展計画を練ることができるようになります。
関連記事:展示会のAIカメラ活用法 – 通行量・来場者数・各ブースの測定
まとめ
イベントのROIを最大化するためには、データを活用した効果測定が不可欠です。目標設定からデータ収集、分析までを一貫して行うことで、成果を高められます。AIカメラを導入してデータを取得し、次回イベントの準備を万全にして、効果的な集客戦略を実施しましょう。
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