ケーススタディ

「RaaS」が小売業にもたらす利益とは?

消費者の購買行動の変化に伴い、小売業はデータやテクノロジーを活用し、時代に沿ったビジネスモデルへの転換を求められています。
この5、10年の間に支払いは現金から電子マネーなどのキャッシュレス決済が多く普及し、セルフレジも積極的に導入されました。

こうした中、中小企業の間で注目を集めているのが「RaaS」です。

RaaSを用いたサービスの発展により、システムの開発資金がなく販売のノウハウが乏しい小売業でも、低コスト・低リスクでの出店や、テクノロジーを駆使した効率のよい顧客データの収集が可能になりました。

本稿では、RaaSの概要とメリット、成功事例を紹介します。

「RaaS(ラース)」とは?

Retail as a Service(リテール アズ ア サービス)=サービスとしての小売の略です。

通常、商品そのものを企業に販売するのではなく、自社で開発した販売手法やIT技術の一部または全部を「サブスクリプション」または「レンタル」型のサービスとして販売することを指します。

既に販売のノウハウやIT技術を兼ね備えた企業が提供するサービスを利用すれば、少ないコストでリアル店舗を立ち上げ、顧客データを低コストで収集し、高度な顧客分析が可能になります。

RaaSの導入理由と
メリット

店舗運営の活性化への期待

RaaSの効果が期待されるターゲットの一つは、D2C形態(※1)を中心とした中小企業や振興メーカーです。

顧客データを取得するIT技術や出店スペースを「借りる」だけで新たなビジネスの創造が可能になり、オフラインの販路を確立していないスタートアップのブランド、ECショップなどからの期待も高いといえます。

RaaSモデルでは、全てをITに任せて接客スタッフやエンジニアの雇用が不要となるケースもあり、人的コストの削減ができます。(※2)
店舗で得た消費者データや販売データは今後のマーケティングにも活用でき、新たな販路・利益の創出が可能となります。

※1:Direct to Consumer(ダイレクト・トゥ・コンシューマー): メーカーが流通を介さず消費者に直接提供する形態のこと。
※2:企業のニーズに応じて、店舗への接客・レジ人材の派遣、システム開発者・データ・アナリストによるレクチャー、さらには店舗でのインフラや機器の設置、メンテナンス、カウンセリングまで含めた一連のサービスを提供する企業もあります。

小売業界に灯りを照らす、売らない店舗にRaaSを活用

小売業者の中には、“リテール・サブスクリプション”や “売らない店”とも呼ばれる、従来のように店舗を構えて商品を販売するのではなく、サンプル商品を展示して購買へとつなげる店があります。

支払い・データの収集方法としては、百貨店のスペースなどに展示した商品のタグについたQRコードにスマートフォンをかざし、その場で支払い、注文後に商品を消費者に直接届けるといったサービスもあり、RaaSが活用されています。

店舗計測ツール・分析コンサルタントの活用

当社もこの一例に含まれますが、AIを活用して顧客データを収集・計測し、店舗分析のコンサルティングまでを一括して行っている企業があります。

店内に設置したAIカメラで入店者数をリアルタイムに計測する他、動線取得による来店者行動・購買動向をマーケティングデータとして提供します。

さらに、売上予測に基づいた適切な商品配置や店内レイアウト、適正在庫量などを導き出すデータも出すことができます。

RaaSの成功事例

RaaSとPOSレジシステムは特に親和性が高く、IT技術とPOSデータを組み合わせた付加サービスの創出には、大きな可能性を秘めています。

■ Amazon(アマゾン)

「購入時のキャッシュレス決済」

Eコマース世界最大手のアマゾンは、小売店をターゲットに、店舗のレジで待つことなく買い物ができる無人コンビニ「Amazon Go」を開発し、顧客満足度を向上させました。
来店客が棚から商品を手に取ると、店内のAIカメラが動きを認識。客が商品を持って店を出ると同時に、アマゾン専用アプリを介して自動的に決済が行われます。

アマゾン自身が小売りベンダーとして、日々テクノロジーの開発を手掛けており、最先端の技術でストレスフリーな顧客体験を生み出しています。

■ b8ta(ベータ)

「店舗運営に必要なものをワンパッケージで提供」

アメリカ・サンフランシスコ発のベンチャー企業で、商品の展示・販売をしたいメーカーからの依頼により、人事・物流・顧客・売上分析等の必要なデータをまとめて提供するサービスを行っています。

また、日本では2020年に新宿と有楽町でb8taが所有する一等地の展示スペースを月額固定料金で企業に貸し出すサービスを展開。来店者は企業の商品を手に取り、体感することができます。

■ GROOOVE(グルーヴ)

「店舗計測において圧倒的な精度を誇る、RetailNextのAIセンサー」

当社が提供するRetailNextのAIセンサーを用いて、ITベンダーの知見に基づいたデータ分析を、小売業界で活用することができます。既に持ち合わせている自社アプリや決済システムからとれる顧客の購買履歴とカスタマイズしての指標データの提供も可能です。(※3)

「店舗計測の月額サブスクリプション『POPS』とは?」

また、当社がパッケージとして提案しているものが、店舗計測のサブスクリプションサービス「POPS」です。
必要な機器を全て当社が用意し厳選されたデータを取得することで、コストを抑え、定額料金で「店舗計測ツール」をレンタルできます。

RetailNext導入実績国内1の当社では、データ分析に関する知見を多く有しており、顧客分析データを企業にフィードバックしたり、カウンセリングする等のサービスも提供しており、商品開発やマーケティング施策に活用するための手がかりを得ることができます。

※3:当社のサービス詳細やRetailNextのAIカメラで取得できる指標は、システム・機能紹介ブログでご紹介しています。

まとめ

「店舗DX」「顧客体験」「RaaS」といったキーワードが飛び交い、販売チャネルや購買経路の多様化が迫られる現代において、今、小売業界は変革を迫られています。

わたしたちは、リアル店舗が消費者動向に柔軟に対応しながらも、IoTやIT技術を導入し、継続的に指標を収集し、データに基づいた行動をすることで、売り上げ向上につなげていくことが重要だと考えています。

顧客の年齢、性別、購買金額、来店数傾向などの顧客データの一元管理と運用から、ビジネスの創造と発展につなげていきましょう。


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