ケーススタディ

入店カウント・店内動線を基にした店舗分析の効果とは?

店舗分析の重要性とその目的

店舗分析は、顧客を維持し、売上を向上させるためには欠かせません。入店数や動線を用いた店舗分析から得られるメリットには、主に次のようなものがあります。

  1. 売り上げ向上と店舗運営の効率化:入店数や店内動線から得られる情報を活用して、商品の配置や商品在庫を最適化することで、売り上げ向上が見込めます。また、人流データを活用して、スタッフのスケジュールやシフト調整(スタッフ配置最適化)ができれば、無駄な労力やコストを削減し、効率的な店舗運営を実現することが可能です。
  2. 顧客満足度の向上:顧客の店内行動を詳細に分析し、顧客が何を求めているのか、どの商品に興味を持っているのかを把握します。顧客のニーズに沿った商品やサービスの提供が可能となり、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)を向上させることができます。
  3. マーケティング戦略の策定:顧客の購買傾向や各商品カテゴリへの興味度、販促物に対する視認率などを分析することで、より効果的で訴求力のある販促活動ができるようになります。

これらのメリットを最大限に引き出すためには、分析結果をどのように店舗運営に落とし込んでいくかが重要となります。売り場で具体的なアクションに移すことで、店舗分析は真の価値を発揮します。

 

店舗計測ツールを活用した店舗分析方法

AIカメラとダッシュボード

データを効率的に分析するためには適切なツールの使用が必須です。

エントランスで入店数を自動的に集計したり、店内で人の動きを追跡してデータ化できるAIカメラや、データを視覚的にわかりやすく表示し、分析を容易にするBIツール(ダッシュボードなど)が有効です。

これらを活用することで、店舗分析の効率や正確性を大幅に向上させ、スピーディな経営判断を下せるようになります。

RetailNextのAIカメラ、Aurora(オーロラ)

 

入店カウントデータとは?

お店に訪れる客数の推移を数字で把握するためのデータです。店舗の集客力や売上につながる基本的かつ最重要の指標です。

入店カウントデータの活用法

  1. 曜日や時間帯ごとの店舗への訪問者数から、ピーク時や閑散期を特定し、スタッフ配置の最適化や営業時間の調整などを行います。
  2. 特定のイベントやセールなどのマーケティング施策やプロモーション施策が集客にどの程度影響を与えたかを判断することができます。
  3. AIセンサーカメラを用いた入店カウンターは、リピーターと新規顧客の割合も知ることができます。リピーターが多い場合は、その店舗への顧客の信頼感や満足感が高いと判断します。一方、新規顧客が多い場合は、広告戦略や口コミなどが訴求力を持ち、販促が効果的に機能している可能性が高いと言えます。

AIセンサーを用いた入店計測

 

店内動線とは?

店内動線とは、店舗内でのヒトの動きを個々の線で追跡したデータの集合体のことを指します。顧客が店内でどのような経路をたどって商品を見たり、スタッフが接客をしているかなどを可視化します。

店内動線データの活用法

  1. 動線から、顧客の行動パターンや購買傾向(移動経路・滞留エリア・各エリアの滞在時間など)を取得することで、カスタマージャーニーを改善し、購買行動を活性化させるための商品選定やレイアウトへとつなげる手がかりを得ます。
  2. 顧客が滞留しやすいポイントや時間に接客スタッフを配置することで、コンバージョン改善やスタッフのパフォーマンス向上につなげることができます。
  3. 売りたい商品が目立っているか、どのエリアが見過ごされがちか、什器、看板やPOPなどの販促物の視認性が高いかどうか等も把握できるため、VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)の効果検証にも用いられます。

AIセンサーを用いた来店客の動線取得イメージ

 

データの運用例

単にPOSレジの売上データを見るだけでは、売上につながる店内の課題点やインサイトを発見することは難しいです。

実際の顧客行動データから、何がどのように売上に影響しているかを理解することが重要です。

レイアウト最適化 TIP1

店の入口近くに人気商品を配置すると、顧客の動線が入口周辺に集中し、他の商品へのアクセスが減少する可能性があります。逆に、店の奥や、通路の途中などに人気商品を配置することで、顧客の動線を全体に広げ、他の商品への露出を増やすことができます。

レイアウト最適化 TIP2

最適な店内インテリアは、時間帯やターゲット属性、売り出したい商品等によって変わります。例えば、平日の昼間は主婦層がメインで利用するスーパーなどでは、子供連れの顧客が多い時間帯に子供向けの商品を手に取りやすい位置に配置するなど、顧客の目線を意識した配置の改善を行うことが有効です。

 

AIカメラを用いた店舗分析のケーススタディ

ここでは、AIカメラを用いて入店カウントや動線分析を行い、店舗運営の改善につなげた小売企業のケーススタディをご紹介します。

AIカメラを活用した分析事例1

店内全域における顧客の動線を取得したことで、顧客が特定の商品を探すのに苦労していることを発見した。

商品の配置を見直し、より直感的に商品が探せる・見つかるレイアウトに変更した結果、カートに入れる商品数(購買点数)が増え、売上がアップした。

AIカメラを活用した分析事例2

入店カウントデータから、混雑時間帯と閑散時間帯の傾向が明確になり、分析結果を元にシフト調整やピーク時のスタッフ最適化を行う。

人件費を削減しつつ接客漏れによる機会損失を防げるようになり、購買率・平均客単価や顧客満足度が上がった。

さらに、オフピーク時には限定セールやイベントを企画することで、顧客の来店動機を作り出し、常に一定の集客数を保つことができるようになった。

AIカメラを活用した分析事例3

AIカメラを導入する前は、店舗運営の手掛かりとなる指標は売上データだけであった。しかし、売上の数値結果から具体的な改善策を見つけ出すことが難しく、売上の伸び悩みを解消できなかった。

AIカメラを導入後は、各エリアの通行量、顧客の滞留回数や立ち止まり時間の数値を基に店内レイアウトを分析していく。

分析結果から売り出したい商品が顧客の主要な動線上に位置していない、通行量が少なく見落とされやすい場所にあるといった起因を発見。見落とされていた商品を目立つ場所に移動し露出を増やすことで、購買を促すといった対策を打つ。

その結果、商品への注目度が改善され、AIカメラ導入前後の期間比較で、売上を5%向上させることができた。

 

まとめ

入店カウントや店内動線データを活用して店舗分析を行い、店内レイアウトやスタッフ行動を見直すことで、店舗運営の活性化につなげることができます。

GROOOVEでは、大手アパレルブランドやリテールチェーン店様をはじめ、業種業態を問わず、有効的な店舗データをご提供しています。

AIカメラを用いた店舗分析ソリューションにご興味がおありの方は、ぜひお問い合わせください。

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