ケーススタディ

売れ行きが低迷。AIカメラで売上に影響を与える原因を探る方法とは?

売上に影響する「内部要因」と「外部要因」とは?

商品やサービスの売れ行きを左右する原因は多岐にわたりますが、主に「内部要因」と「外部要因」に分けられます。ここではこの2つの要因を詳しくみていきます。

内部要因

①販売促進・広告活動における戦略の成功・失敗

正確な分析データをもとにマーケティング戦略を構築し、効果的な販促活動ができていれば、集客につながります。しかし、広告宣伝費の予算配分やターゲット選定などを誤ると、顧客に適切にリーチできません。

②商品・サービスの質の変化による顧客数の増減

商品やサービスの質が低下して顧客離れが発生するケースも売上に影響します。

売上高が増加している企業では、「優良なリピーターがいること」(70.3%)、「商品・サービスの品質・信頼性」(65.8%)を挙げるケースが多いようです。

リピーター数の維持が売上の安定化に貢献

参照:中小企業庁|第1部 小規模事業者の動向

③IT技術の普及(店舗DX化)の有無による分析スピード・精度の違い

データの取得、計測、分析がしやすい環境を整えることで、DX化が進んでいない店舗と比較して、課題抽出、経営判断のスピードや正確性において優位に立つことができます。

外部要因

①季節・天候

天候の例としては、暑い日は冷たい飲み物やアイスクリームが売れやすく、寒い日は温かい飲み物や鍋料理が売れやすいです。また、季節によっても売れる商品が変わります。例えば、夏に向けて水着や浴衣、冬に向けてコートやブーツが多く売れます。

②競合店と自店の優位性の変化

競合他社の商品やサービスが優位に立ち、自店舗から顧客が流れてしまうケースもあります。

③経済・市場動向や消費者の購買行動の変化

近年は景気やトレンドの変化のスピードが速く、消費者の購買行動も日々変化しており、先を見通すことが難しくなってきています。

例えば新型コロナウイルス感染症の流行時は、新しいライフスタイルにマッチしたインテリア雑貨やパジャマなどのルームウェア商品の売れ行きが好調でした。

オムニチャネル化がストレスフリーな顧客体験を実現

 

売上に影響を与える要因を探る

売上に影響している要因を探るには様々な方法がありますが、店舗DX化を推進し、顧客データを取得・分析できる環境を整えることで、課題の発見が容易になり、経営判断に好影響を与えることが示唆されています。

ここでは、顧客データを効率的に収集し、実店舗運営をサポートする店舗計測ツールの一つ「AIカメラ」を店頭に設置し、来店客情報や購買行動から売上に影響を及ぼすボトルネックを見つける方法をご紹介します。

AIカメラで取得できるデータには、主に前章の内部要因で述べたような入店客数の増減入店率新規顧客・リピーター割合顧客の属性、スタッフや来店客の動線を用いた店舗のパフォーマンス分析インテリア分析などがあります。

①入店人数と入店率の計測

入店する客数の増減は、日々の経営状況の把握に加え、イベントなどのマーケティング施策の成果を測ることができます。

また入店率を測定することで、店舗前を通過した顧客のうちどれくらいの割合が入店しているかを知ることができ、入店率が高まれば、エントランスでの呼び込みや入り口のディスプレイ、施策などが効果的であった可能性が高いと判断できます。

 

 

②顧客の属性を調べる

店舗を訪れる顧客の年齢層(年代)や性別(男女)などの属性を取得し、商品販売前にあらかじめターゲットとした顧客が実際に来店しているかどうかを検証します。

販売商品の選定時だけでなく、プロモーション企画時に広告のコンテンツや見せ方の判断材料にすることもできます。

 

来店客の属性(年齢層・性別)を取得することで、施策の効果検証や今後の施策のヒントを得ることができる

 

③新規顧客・リピーターの割合を調べる

安定した売上を確保するためには、既存顧客の存在が不可欠です。

店舗を訪れる新規顧客・リピーター数やその割合を把握することで、それぞれに有効なマーケティング施策を策定したり、広告宣伝費の予算の割り振りなどに活かすことができます。

この指標とあわせて、来店したお客様の属性(趣味・関心、性別、年齢など)や店内での購買動向(立ち寄り場所や商品検討時間)などを同時に取得することで、より深いインサイトが抽出できます。

 

 

④店内インテリア分析

顧客の滞留しやすいエリアや、購入に至るまでの行動や経路を分析するために、入店から退店までの顧客動線を取得します。

例えば、顧客の各ゾーンへの立ち寄り回数や順序を抽出したのち店内全域のレイアウトを改善し、スムーズな動線を確保できるようになれば、顧客の満足度が向上します。

また、視認性が高く多くの人が通過しやすい場所に売り出したい商品を陳列するなど、商品配置の最適化を行うことで、平均滞在時間の増加、購入率や客単価の向上等、売上につながる多くのメリットをもたらします。

店内インテリア分析は、VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)の効果検証にも用いられます。

 

顧客の移動経路を動線で取得し、インテリア課題を抽出していく

 

⑤スタッフ配置最適化

過去の入店人数の推移から見込み客数をAIが予測します。

客数の増減に応じて、スタッフ配置の最適化、スケジュールやシフトの調整をすることで、接客漏れや在庫不足による購買機会損失の削減ができます。

 

 

⑥接客分析・パフォーマンス分析

接客により購入に至った顧客とそうでない顧客の行動や移動経路を抽出し、スタッフのパフォーマンスの分析をしたり、特定の期間・曜日・時間ごとのコンバージョン率(購入率)や平均客単価の推移を確認します。

また、自店のパフォーマンス状況を購入率や平均客単価等の指標で類似店舗と比較し、相対的に判断することもできます。

 

RetailNextのAIセンサーが接客後に購入に至った客数とその割合を抽出

 

まとめ

売上低迷の要因には、市場の変化や国の情勢など、予測しにくい外部要因も多く、消費者の購買行動や嗜好が変化すれば、従来のマーケティング戦略や販売手法の見直しの必要性が出てきます。

しかし、AIカメラなどのIT技術を駆使した店舗計測システムを店舗に導入し、店舗分析がしやすい環境を整えることで、売上に影響を及ぼす内部要因を突き詰めていくことができます。

AIカメラで取得した顧客の行動や属性などのデータをもとに店舗の課題を一つ一つクリアにし、ニーズに対応した商品販売、接客サービス、インテリアの改善などに注力し、施策運用を継続的に取り組むことで、店舗の収益化につなげていくことが重要です。

弊社では、小売店舗を中心に、データを活用した店舗DX化や店舗分析を支援するソリューションサービスを提供しております。ご興味のある企業様は、お気軽にお問い合わせください。


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