ケーススタディ

売上減少の原因と対策|効果的な施策で小売店の業績アップを実現する

本記事では、小売店の売上減少の原因を探り、売上を向上させるための対策案と、効果的な施策の運用で店舗の業績向上を実現するための「AIカメラ」を活用した解決策をご紹介します。

 

企業の売上減少の4つの原因を理解する

まずは、企業の売上低迷の原因を探っていきましょう。

企業の売上が減少する原因は多岐に渡ります。市場環境の変化、競合他社の戦略、自社商品やサービスの質など、さまざまな要因が売上に影響を与えます。また、顧客のニーズの変化も無視できません。

売上が減少している理由を理解するためには、これらの要素を詳細に分析する必要があります。

  1. 市場環境:売上減少の第一の要因は、市場環境です。経済状況、業界トレンド、消費者の購買力などは、売上に大きな影響を与えます。例えば、昨今の不況で顧客の節約志向が強まれば、売上は減少します。こうした変化を捉え、自社の企業戦略に適応させ、対策を講じる必要があります。
  2. 競争相手の戦略:第二の要因は、競合他社の戦略です。ライバル企業が新製品を投入したり、価格戦略を変更したりすると、自社の顧客が他社に流れてしまい、売上に影響を与える可能性があります。競争状況を常に把握し、適切な対策を立てることが重要です。
  3. 顧客ニーズの変化:第三の理由として、顧客のニーズの変化も重要な要素です。SNSの普及もあり、消費者の嗜好は刻一刻と変化します。顧客の関心の流動性を理解し、自社の商品やサービスを顧客のニーズに柔軟に適応させていく必要があります。
  4. 自社の商品やサービスの質:売上を低下させる最後の要因は、商品やサービスの質です。販売する商品の品質や顧客サービスの質が下がり、顧客満足度が低下した場合、売上への影響は避けられません。また、顧客の大半がリピーターであった場合、顧客離れが大きな利益損失や売上の不安定化をもたらす可能性があります。早急に商品・サービスの品質を向上させることが求められます。

これら4つの要因を理解し、それぞれの解決策を見出すことが、売上減少傾向に歯止めをかける第一歩となります。

 

小売店の売上減少に直結する、3つのKPIとは?

前章では、企業の売上減少が、顧客ニーズの変化、競合他社の影響、商品やサービスの質、あるいは経済全体の状況など、さまざまな内的・外的要因に影響される可能性があることを説明しました。

ここからは、実店舗を持つ小売業の売上低迷の直接的な要因となる「3つのKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)」について見ていきます。

大前提として、小売店の売上は「入店客数 × 購入率 × 客単価」で成り立っています

売上を構成する3つのKPIの式

小売業の売上を左右する3つのKPI(来店客数x購買率x客単価)

 

①顧客が離れてしまう(入店客数の減少)

小売店の売上減少の主な原因の一つは、客離れです。

商品・サービスの価格や品質、接客サービスの質、競合店との比較、ブランドの信頼性など、客数が来店する・しない理由は様々です。これらの要素を考慮し、顧客が他の選択肢を探すようになれば、結果的に売上が減少するのです。

自社の商品やサービスに対する満足度が低下すると、顧客離れが起こる

 

②商品・サービスが顧客ニーズと一致しない(購入率の低下)

小売店の売上減少のもう一つの要因は、商品・サービスが顧客の求めるものとマッチせず、購入率が下がっていることがあげられます。

市場や競合の動向、オンラインでの購買行動の促進などにより、かつては適切であった店舗での価格設定、商品選定、サービス提供を見直す必要があるかもしれません。

顧客が求めるものと陳列されている商品との間にギャップが生じている

 

③接客パフォーマンスの低下(客単価の上昇を妨げる)

店頭スタッフのパフォーマンス低下は、客単価(顧客一人当たりがお店で費やす平均金額)に大きな影響を与えます。

例えば、入店ピーク時にスタッフが不在であったり、別業務に従事していることで、接客漏れによる機会損失が生じ、せっかく来店してくれたお客様に商品を提案するチャンスを逃してしまいます。

また、接客のチャンスを確保しても、顧客とのコミュニケーション能力が不十分であったり、高価格商品や複数商品の提案で客単価を上げるクロスセルやアップセルの施策がうまく機能していなかったりと、スタッフの接客品質の問題も、売上に影響をもたらします。

運営力や接客サービスの低下は、顧客の消費に影響を及ぼす

 

次の章では、これらの問題に対する具体的な対策について説明します。

 

小売店の売上減少の解決策を探る:3つのKPIを向上させる

①客数を増やす

小売店が売上減少を解決する手段として、まずは売上の基盤となる客数を増やすことを目指します。

 施策例:マーケティング活動を積極的に行い、見込み客を誘導する 

小売店のマーケティング戦略は、新規顧客を獲得するための解決策の1つです。最新のデジタルマーケティング手法やSEOを活用しプロモーションを強化し、ターゲット顧客への露出を増やすことで、費用対効果の高いブランド認知度拡大や、新規顧客の獲得が可能となります。

この集客施策と相性の良いビジネスモデルとしては、期間限定のPOP UPイベントブースでの出展などがあげられます。SNS広告、コンテンツマーケティング、エントランスのディスプレイなど、様々な手法で見込み客を店舗に誘導することが大切です。

②商品・サービスの価値を高め、購入率と客単価を上げる

次に重要なのは、顧客の購入率と客単価を上げることです。

 施策例1:商品のバリュープロポジション(価値提案)を明確にする 

自社が販売する商品の価値を顧客に納得・理解してもらえれば、購入数や客単価が増え、売上改善が見込めます。また、コロナ禍以降に加速した市場の変化や新たな顧客ニーズを捉えることも大切です。顧客に訴求する商品戦略を立案するために、市場調査や顧客インタビュー、アンケート、店舗計測などによって得られたデータを活用し、ヒントを得ることも効果的です。

 施策例2:顧客のロイヤルティの獲得とリピーターの増加を目指す 

ファン化を促すためには、店内の清潔感やブランドの世界観・雰囲気の維持など、顧客が接する全てのポイントでの改善が有効です。また、新規顧客をリピート客に転換するための施策も忘れてはなりません。店頭での接客サービスの向上はもちろん、優良顧客向けの特典発行やVIPイベント開催、購入商品のメンテナンスサービスなどが顧客ロイヤルティ向上施策の例として挙げられます。こうした施策を積極的に導入することで、リピート率や購入率の増加につながり、売上を安定させることができます。

 施策例3:価格設定を見直す 

客単価を上げる手段の一つとして、商品やサービスの質を維持したり、価値を高めて販売価格を上げる「価格改定」があります。多くの企業が「低価格=高価値である」という罠にはまり、利益よりも販売数量を増やすことに注力しようとしますが、実際には、商品やサービスの品質を高め、単価自体を上げることは、企業にとって利益を生み出すための重要なポイントの一つです。

 施策例4:スタッフ配置の最適化により機会損失を防ぐ 

顧客の入店状況に合わせてスタッフの稼働人数を調整し、スタッフのパフォーマンスを向上させることで、接客漏れによる機会損失を防ぎます。また、良質な接客サービスを提供することも大切です。ターゲット顧客のニーズや期待に応えて最適な商品を提案し、顧客満足度や顧客体験を高めます。

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AIカメラによる原因分析と効果測定

入店カウンターなどの店舗分析ツールを活用することで、売上減少の原因をより詳細に解明することができます。

数ある店舗分析ツールの中でも、高度なヒト検知技術を搭載したAIカメラは、赤外線センサー・単眼カメラに比べトラフィックカウントの精度が高いと言われており、店舗の入り口や特定のエリアに設置するだけで、日々の来店客数の変化や顧客の行動をリアルタイムに取得し、集計することができます。

この章では、AIカメラを活用した店内の顧客データ分析方法と、様々な施策の効果検証について解説します。

1. 客数の変化を調べる

AIカメラでカウントする客数は、店舗の経営状況を示す貴重なインプットとなります。客数の変化(減少)の原因を探り、改善策を打ち出すことが重要です。

小売業界で定番となっているAIカメラに、RetailNext(リテールネクスト)のセンサー「Aurora(オーロラ)」があります。Auroraは、入店カウント精度95%以上を誇り、安定して客数を取得できます。Auroraが提供するデータから、顧客が来店しやすい曜日や時間帯、特定のイベント時の来店傾向などを詳細に把握することができます。

また、Idein(イデイン)のActcast(アクトキャスト)は、入店カウントに加え、顔の特徴点から顧客の属性(年代、性別)を識別する機能を持っています。来店人数やサイネージ視聴者数と合わせて、それらの属性傾向を把握することができます。

A-Mallにおける本日の入店人数をRetailNextのAuroraが計測

 

2. 購入率や客単価を調べる

AIカメラの人流データとPOSレジの販売データを連携させることで、購入率や入店者一人当たりの平均客単価を算出できます。

特に重要なのは、トラフィックカウントをベースとし入店者一人当たりの平均客単価です。これは、店舗を訪れた顧客一人当たりの消費金額を示す指標であり、売上向上のためには、購入率とともにこの値を向上させる必要があります。

さらに、顧客の購買データは、時間帯や曜日、季節などと組み合わせて分析することで、より具体的な施策を立てることができます。例えば、午後4時~6時台に来店する顧客が高価格商品を購入する傾向があるとすれば、その時間帯に特別なプロモーションやキャンペーンを行うなどの施策を試すことができます。

購入率や客単価を具体的に知ることで、より高い顧客価値へと導く戦略を立て、売上アップを図ることが可能になります。

3. 顧客の店内行動を調べる

RetailNextのAIカメラ Auroraは、顧客の移動経路を個々の動線で取得できます。動線で示された顧客の移動経路は、店内レイアウトの改修やVMDの効果検証に活用できます。また、動線データは店内の各エリアのポテンシャルや、来店客・スタッフの流動パターンの解析にも用いられます。

RetailNextのAuroraで見れる顧客の動線イメージ

RetailNextのAuroraで見れる顧客の動線イメージ

さらに、POSレジのデータと連携させることで、顧客の購買行動をより具体的に把握することが可能です。例えば、購入した顧客、購入しなかった顧客それぞれの行動を可視化し、店内インテリアにおける課題を分析できます。

また、顧客の各エリアへの立ち寄り頻度や滞在時間から、購買意欲を引き立てる商品エリアを割り出すことができます。

このように、AIカメラで顧客の行動データを取得することで、商品の配置や陳列を最適化したり、商品のラインナップの見直しを行うための具体的なプランを立て、戦略を実行することが可能になります。

スタッフ・来店客で分けて取得した動線イメージ

 

フレームワークの確立と施策の運用で売上をアップさせる

フレームワークとは?

ビジネスにおけるフレームワークとは、企業の発想や意思決定、分析、問題解決、戦略立案などに活用できる共通の枠組みを指します。フレームワークを構築することで、経営者、店長、スタッフが共通認識を持つことができ、売上構築のための業務改善が容易になります。

以下は、企業がフレームワークを構築するための施策・戦略のステップです。

ステップ1.フレームワーク構築時は、ロジックツリーを意識する

ロジックツリーとは、様々な問題の原因や解決策を見出すために利用できるフレームワークの一つです。ロジックツリーはマインドマップの一種であり、問題解決のための定義を決定する際に利用できます。

ステップ2.顧客を引きつけるための戦略を明確にし、フレームワークを固める

売上を伸ばすためには、顧客を引きつけるための戦略が不可欠です。その一環として、まずはターゲット顧客の特性やニーズを深く理解することが重要です。これには、顧客の購買行動や消費傾向を調査することが含まれます。また、競合他社がどのような戦略を取っているかを理解することも大切です。

これらの情報をもとに、自客のニーズを満たすために自社の商品やサービスをどのように位置づけるべきかを明確にし、フレームワークを固めていきます。

ステップ3.具体的な施策の設計をする

次のステップは、具体的な施策の立案です。これには、商品のプロモーション、価格設定、販売方法や手段の選定などが含まれます。顧客が商品を知り、興味を持ち、最終的に購入に至るプロセスを考え、各ステップに最適な施策を立案することが求められます。

ステップ4.AIカメラのデータをもとに施策の設計・運用を繰り返し、売上を改善させる

最後に、施策の効果を見極めるためには、適切なKPIを設定し、定期的に測定することが重要です。そして、KPIが目標値に達しなかったり、低下した場合は、その原因を分析し、改善策を実行します。また、KPIが目標値に達した場合でも、さらなる向上のために新たな目標を設定し、施策運用を継続します。

AIカメラで各施策のパフォーマンスを定量的に測定することで、どの施策が上手く機能しているか、またどの部分に改善の余地があるのかを正確に見つけ出すことができます。

KPIブレークダウン:「KPI」(例 SY:平均客単価)とそれを構成する「要素」「メトリクス」「関連項目」

集客戦略は、常に市場の動向を見極め、顧客ニーズに適応していくことが求められるため、フレームワークを構築し、絶えず改善と再設計を繰り返すことが必要になります。フレームワークの設計と施策運用を通じて、売上アップを実現しましょう。

コラム:改善策を繰り返すことの重要性

売上が減少している理由を特定し、解決策を実行した後は、その結果を評価することが重要です。しかし、評価するだけでは不十分です。結果を見て一度改善策を実行したからといって、その後すぐに売上が向上するとは限りません。

売上を向上させるためには、定期的な評価と改善策の繰り返しが必要です。これは、市場の動向、顧客の行動パターン、競合の戦略など、常に変化している外部環境に適応させるためです。また、内部環境も、新製品の投入や組織変更、人事異動などにより、常に変わっています。

したがって、結果を見極め、改善策を繰り返すことで、変化する環境に対応し、持続的な売上増を実現することが可能となるのです。

 

まとめ

本記事では、実店舗を持つ企業の売上減少の原因と解決方法、施策の運用におけるAIカメラの活用について解説しました。

まずは、売上が低下している理由を把握することが重要です。次に、その原因を取り除くための具体的な解決策を見つけます。

売上減少の内的要因を正確に突き止めて改善するには、AIカメラで得られたデータをもとに施策の運用を繰り返すことが効果的です。

データをもとに原因を分析し対策を実施した上で、その結果を見極めさらなる改善を続けることで、売上を回復させることができます。

本記事が、皆様の店舗の売上減少の対策に役立つ情報となりましたら幸いです。


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