ケーススタディ

展示会のAIカメラ活用法 – 通行量・来場者数・各ブースの測定

展示会やトレードショー(見本市)は、新商品の紹介やブランドのプロモーションに最適な場であり、小売業やブランドは自社製品やサービスを一堂に展示することで、顧客やビジネスパートナーとの接触機会を増やすことができます。

一方で、会場の広さや人の多さから、来場者が全ての展示物を見ることや、展示会の主催者や参加企業が集客に関する効果的な情報収集をすることが困難となることもあります。

そこで登場するのが、AI/IoT技術を駆使した店舗計測ツールです。

ツールの代表例としては、「AIカメラ」があります。AIカメラは高度な画像認識・映像認識能力を持ち、人や物体の解析技術に優れています。人の行動を自動的に識別・収集・分析し、展示会運営やブース出展において新たな可能性を切り開きます。

本記事を通じて、展示会の主催者様、出展メーカー様や小売業者様が、AIカメラの活用方法に対する理解を深めていただければ幸いです。

 

2025年、国内で注目される小売店向けの展示会は?

2025年も2024年同様、メーカー・小売業者向けの展示会やトレードショーが国内で随時開催される見込みです。これらのイベントは、業者が最新の製品や自社サービスを披露し、ビジネスの新たな可能性を探る目的で参加したり、競合他社の取り組みを知り、自社の戦略を見直すための貴重な情報源とすることもできます。

今年、注目すべき展示会は、「リテールテックJAPAN」、「スーパーマーケットトレードショー(SMTS)」、そして「イーコマースフェア 東京」です。

まず、2025年2月に東京ビッグサイトで開催予定の「リテールテックJAPAN」は、日本最大級のリテール・流通業界向けの展示会です。流通・決済・販促・ECなど、様々な業種・業態のソリューション製品やサービスが一堂に介されます。ワークショップイベントも開催され、多くの人にとって見応えのある展示会となっています。

上記同様2月に幕張メッセで開催予定の「スーパーマーケット・トレードショー(SMTS)」は、スーパーマーケットを中心とした食品流通者向けのビジネスフェア(商談展)です。国内の商談確度の高い小売業のVIPやプロバイヤーが多く来場し、最新の商品やサービスを通して、食品流通業界が競争力を維持するためのアイデアが生まれます。

最後に、EC業界で日本最大級を誇る展示会「イーコマースフェア 東京」です。日本初のEコマース・通販イベントとして2008年にスタートしたこの展示会も、上記同様、来年の2月に東京ビックサイトで開催予定です。国内外のショップオーナーやEC業界のプロフェッショナルが集まり、主にネットビジネスのあり方を提案するイベントです。ECと店舗の垣根を取り払い、世界中の消費者の購買体験をより便利で豊かにすることを目的に、成功事例の共有や新たなビジネスモデルの提案が行われます。

そのほかにも、物流・交通に関する最新技術が一堂に会する「スマート物流EXPO(エキスポ)」などがあります。

来年もこれらのイベントをはじめ、小売業・メーカー向けの展示会が大きな盛り上がりを見せるでしょう。

次の章では、展示会・トレードショーにおける、AIカメラの活用方法について解説します。

参照

  1. リテールテックJAPAN|日経メッセ
  2. 【開催御礼】第58回スーパーマーケット・トレードショー2024/デリカテッセン・トレードショー2024|一般社団法人全国スーパーマーケット協会
  3. イーコマースフェア 東京|イーコマースフェア運営事務局(インフォーマ マーケッツ ジャパン株式会社)
  4. 【2023年 関東・関西】リテール展示会まとめ 22選!それぞれのスケジュールや場所、特徴は?|TENPODX|データセクション株式会社

 

リテール業界の展示会・EXPO・トレードショーでのAIカメラ活用法

近年、展示会やEXPO(博覧会)、トレードショーなどでも、展示内容や顧客分析に関して、AI/IOTなど最新技術の活用が進んでいます。

店舗分析ツールとして知られるAIカメラは、AI(人工知能)技術で人や物などの対象物を検知して追跡したり、画像や映像を解析し、顧客行動データを収集します。

顧客の行動を自動でリアルタイムに測定することにより、目視では気づかなかった商品の魅力を最大限に引き出す方法を探ったり、来場者の体験を最適化するためのインサイトを発見したりと、AIカメラには多岐にわたるユースケースがあります。

以下に、私たちが実際に提供しているデータの一部をご紹介します。

 

①会場前の通行量計測と来場者数のカウント

展示会やトレードショーを開催する会場の入口付近にAIカメラを設置することで、会場前の通行量来場者の数を自動でカウントすることが可能です。

さらに、AIカメラで取得した情報を可視化するBI(ダッシュボード)の中には、あらかじめ設定した混雑値と実際の値の比較をし、混雑状況に応じて、売り場スタッフのタブレットやスマートフォンにアラート(警告)を出す機能を備えたものもあります。

AIカメラの導入によりスムーズな会場運営を実現できるようになれば、顧客体験が向上され、来場者の満足度も高まります。

 

②各ブースの通過人数・滞在人数・滞在時間の測定

AIカメラを各ブースやその前の通りに設置することで、特定のブース前の通行量やブースに立ち寄る人数、平均滞在時間を計測することができます。

ブース前の通行量から、展示場所のポテンシャル、ブースの立ち寄り回数や滞在時間から、個々のブースの人気度や注目度を評価することが可能になります。

例えば、多くの顧客が長い時間を過ごしているブースは来場者にとって魅力的であると言えるため、運営者はそのブースの特徴や展示内容を詳しく分析することで、他のブースの改善点を見つける手がかりにできます。また、各出展者に対して具体的な成果報告を行い、フィードバックとともに次回以降の出展を促すこともできます。

 

③販促物の興味度を測る視認時間・視認回数・視認率

AIカメラは来場者の視線を追跡したり、顔の向きを検出することができます。したがって、来場者の館内に展示されている販促物への注目度を測定することが可能です。

視認率は、来場者が特定の販促物を見る回数を、その前の通行量で割って算出します。
視認率(%)=視認回数÷通行量(人)

また、平均視認(視聴)時間は、来場者が特定の販促物を見ていた時間の合計を、視認回数で割って算出します。
平均視認時間(秒)=販促物を見ていた時間の合計(秒)÷視認回数

来場者が最も関心を寄せている販促物を特定することができれば、後のマーケティング戦略や販促物のコンテンツ・デザインの改善にも生かせます。また、販促物の配置場所、掲示の仕方、照明の当て方など、展示会の設計改善に役立つ情報も得られます。

 

④来場者の行動パターンを抽出する動線

AIカメラは、来場者の動きを追跡し、そのパターンを動線で抽出することも可能です。来場者がどのブースからどのブースへと移動し、どのルートをたどったかといった情報を収集することで、展示会のレイアウトや各ブースの見せ方(VMD)の改善に役立てることができます。

また、どのエリアで来場者が集中しているか、どのエリアが空いているかを把握することで、人の回遊をスムーズにするための施策も立てられます。

動線分析イメージ

 

⑤各ブースのポテンシャル測定

AIカメラを活用することで、各エリアのポテンシャルを把握することが可能です。ポテンシャルを測る指標の1つに、露出率(キャプチャーレート)があります。

露出率は、来店率・占有率・捕捉率などとも呼ばれ、来場者やスタッフが会場内の特定のエリアを通過する割合を表します。

例えば、全入場者である100%に対して、エリアAの前を通過する割合は全体の10%、エリアBの前を通過するのは20%といった具合です。

算出法:エリアの露出率(%)=エリアを通過する人数÷会場全体の人数

例えば、特定のエリアにおける露出率が他のエリアよりも低い場合、そのエリア内の各ブースの周りにも来場者が集まりやすいように、広告の掲出場所や方法などを変更したり、通路の幅や他のブースとの距離などを調整することで、露出率の改善が見込めます。

各ブースのポテンシャル測定が、②の各ブースの通行量測定と異なる点は、複数のAIカメラが館内全体を覆うことで、会場全体の人の流れを算出し、施設内装デザインやブースの割り当てが人流にもたらす影響を定量的に調査できることです。

 

⑥顧客属性のマーケティングへの活用

AIカメラは来場者の年齢層(年代)や性別(男女)などの属性(デモグラフィック情報)も取得することが可能です。

属性を収集することで、ターゲット層が実際にどのくらい来場しているのか、商品やサービスに興味を持っているか、どのブースを頻繁に訪れているかなどの情報を得ることができます。

また、来場者の属性をセグメント(グループ分け)することで、それぞれのグループに合わせた広告制作やイベント企画ができるようになるなど、訴求力のあるマーケティング戦略の実行に役立ちます。

 

最新のAIカメラを活用した展示会の未来とは?

AIカメラは、出展者に貴重な顧客データを提供するだけでなく、展示会の運営者や主催者が施設をより効率的に運営し、展示会の質を向上させるのにも役立ちます。

この章では、AIカメラがもたらす展示会の未来について、運営者向けと出店者向けの2部構成で、考察します。

 

運営者向けソリューション例:AIカメラとチャットボットや顧客デバイスとの連携で、展示会をカスタマイズ

AIカメラとチャットボットの連携は、画期的な展示会の未来像の一つです。

AIカメラで来場者の行動や反応を読み取り、そのデータをもとに会場に設置したチャットボットが来場者一人ひとりに最適な情報を提供する、もしくは、来場者が特定の展示物に長時間注目している様子をAIカメラが捉え、その展示物に関連する情報を顧客のスマートフォンやウェアラブルデバイスに直接送信するサービスなども考えられます。

このようなシステムが開発されることにより、未来の展示会はよりパーソナライズされた顧客ファーストなものになるかもしれません。来場者は自分の興味・関心に合わせた情報を自動で得ることができ、商品やサービスに対する理解が深まり、満足感も高まるでしょう。

 

出展者向けソリューション例:AIカメラの解析機能がもたらす新ビジネス展開の可能性

AIカメラの活用は、出展者にも様々なメリットがあります。その一つが、新商品の開発やサービス改善のための貴重なフィードバックを得られることです。

来場者の行動、視線、反応などをリアルタイムで把握することで、自社製品やサービスがどのように受け入れられているのかを、具体的な数値で理解することができます。顧客のニーズを読み取り、出展者はより顧客志向のビジネス展開を行うことが可能になります。

また、自社の展示コーナーに訪れた来場者の属性分析により、効果的なマーケティング戦略を立てることも可能になるでしょう。

 


初めての店舗DXや短中期の施設の効果測定に!「coumera(クーメラ)」が新登場

最後に、AIカメラを使った店舗計測のサブスクリプション「coumera(クーメラ)」をご紹介します。

coumeraは、業界最安値の税込18,000円(データ計測7,200円、機器レンタル10,800円)/ 月~で始められる店舗計測の完全サブスクリプションサービスです。

必要なのは電源とインターネット環境だけ!設置工事不要、契約期間の縛りもありません。測定したい場所にAIカメラを置くだけで始められるのが大きな魅力です。

おかげさまで現在、各企業様よりご好評いただいております。

小規模店舗や新規事業者様、スペースを借りて集客効果を測定したい企業様や短期間のディスプレイ効果検証をしたい企業様にもお勧めです。

coumeraを見てみる

 


終わりに:展示会の未来を変える、AIカメラの可能性

かつて日本では、メーカーが市場に出回る商品の価格をコントロールできるほど、商品流通に強い影響力を持っていました。

世界中で様々な選択肢が登場し、価格競争が激化している今、展示会での出展は、日本のものづくりの真価を顧客に再認識させ、メーカーや小売店が生み出す製品を世界に発信するきっかけにもなり得ます。

AIカメラは、AIという革新的な技術を通じて、展示会の可能性を具体的な形で示します。AIカメラの導入は、より効率的で顧客に最適化された戦略を実現するための大きな一歩になるでしょう。

GROOOVEでは、AIカメラの導入をはじめ、店舗分析やイベント計測に関する様々なご質問・ご相談を承っています。AIカメラを設置したい施設の平面図等を事前にご提供いただければ、より詳細な活用イメージを作り上げていくことも可能です。

ご相談・カウンセリングをご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。


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