防犯カメラ

【初心者向け】防犯カメラの選択・設置・運用管理のポイント

現代社会において、セキュリティ対策はますます重要な課題となっています。なかでも防犯カメラは、犯罪抑止や証拠収集に有効なツールとして注目されています。しかし、ただ防犯カメラを設置すればいいというわけではありません。防犯カメラの効果を最大限に発揮するためには、防犯カメラの基礎知識、設置場所や設置方法、運用管理、設置後の注意点などを総合的に理解する必要があります。

GROOOVEブログ「防犯カメラ」カテゴリでは、防犯カメラを有効活用し、最適なセキュリティシステムを構築することで、安心・安全な環境づくりの一助となることを目指し、防犯カメラについて様々な角度から詳しく解説していきます。

 

防犯カメラとは?

防犯カメラとは、犯罪や詐欺を防ぐために特定のエリアを監視するビデオ監視システムのことです。

初期の防犯カメラシステムはリアルタイムで映像を監視したり録画するだけでしたが、技術の進化に伴い、現在ではリモートアクセス、クラウド録画、さらにはAI技術が搭載されているモデルまであります。

防犯カメラは、一般住宅や企業、店舗や商業施設、公共施設など、さまざまな場所で広く普及し利用されています。

防犯カメラの主なメリットは、犯罪の抑止力として機能することです。カメラを設置することで、潜在的な犯罪者に対して「見られている」という心理的な圧力をかけることができます。また、実際に犯罪が発生した際には、映像データを証拠として警察の捜査や法的手続きに役立てることができます。

さらに、防犯カメラは防犯以外にも多くの利点があります。例えば、企業が従業員の行動を監視し、作業効率や職場環境の改善に役立てることができます。また、病院、老人福祉施設などでも子供や高齢者の安全を見守るために使用することができます。事故や怪我を未然に防ぐことで安心感が増し、住民の生活の質が向上します。

 

防犯カメラの種類と特徴:選び方のポイント

防犯カメラには、多種多様な形状と仕様が存在します。設置場所や用途に合わせて適切なカメラを選び、効果的に活用することで、安全・安心な環境を築くことができます。

以下に、代表的な防犯カメラの種類とその特徴を形状別・機能別にリストアップしました。

〈形状別〉

  1. 固定カメラ:固定された位置から特定のエリアを常時監視します。広範囲を撮影するのに適しており、レンズの焦点距離によって撮影範囲が異なります。
  2. ドームカメラ:半球型の外観を持つカメラで、特に屋内での設置に向いています。破壊防止機能を持つタイプもあります。

  1. バレットカメラ:長い円筒形のデザインが特徴で、特に屋外の監視に適しています。

〈機能別〉

  1. パン・チルト・ズーム(PTZ)カメラ:遠隔で方向やズームを操作でき、広範囲を監視するのに役立ちます。動きのあるターゲットを追尾するのにも適しています。
  2. ワイヤレス(無線)カメラ:Wi-FiやLTE網などの無線通信を利用して映像を送信するカメラです。スマートフォンやパソコンからリアルタイムで映像を確認できるため、遠隔地からでも監視できます。設置場所の制約が少なく配線も少なくて済むため、設置が簡単です。
  3. ネットワークカメラ(IPカメラ):インターネット経由で映像を送信するカメラです。スマートフォンやパソコンからリアルタイムで映像を確認できるため、遠隔地からでも監視できます。
  4. AI搭載カメラ:人工知能(AI)技術を活用した防犯カメラです。顔認識や動体検知、異常行動の検出人数や滞在数のカウントなど、高度な解析機能を持っています。通常の監視カメラでは発見が難しい不審者や異常事態を自動で識別し、即座にアラートを発することができるモデルもあります。特に大規模な施設や高レベルのセキュリティが求められる場所での導入が進んでいます。

機能や仕様・スペックを考慮する際のポイントとして、館内で監視されていることを意識させずに監視をしたい場合は、小型のカメラやドーム型カメラは存在を目立たせないように設置できるのでおすすめです。

広範囲を鮮明に取得する必要がある場合には、4Kなど高解像度で広角レンズが備わっている防犯カメラが良いでしょう。

屋外に設置する場合は、極端な温度変化、環境の変化に対する耐久性が高く、雨や雪、埃などのダメージを受けにくい防水・防塵機能(IP65〜66以上)を備えたカメラがおすすめです。赤外線LEDを搭載しているモデルは、夜間でも鮮明な映像が得られます。

PoE技術(※)が採用されたカメラは、ACアダプターなどの外部電力が必要なく、一本のLANケーブルのみで電力供給とデータ通信を同時に行うことができます。

また、音声記録付きなど、防犯用途に応じて選択しましょう。

※PoEとは、Power over Ethernet(パワー・オーバー・イーサネット)の略称です。PoEスイッチは配線の複雑さを軽減し、設置作業を迅速に行うことができるため、多くの現場で採用されています。

 

防犯カメラの設置場所と設置方法のポイント

ここでは、防犯カメラの設置場所と設置方法のポイントについて解説します。

設置場所として、一般的には、建物の正面入口、駐車場、通路などの出入り口や侵入経路をしっかりカバーできる場所が適しています。オフィスや商業施設では、エレベーターや階段付近も監視対象として考慮する必要があります。これにより、上下階への移動を監視し、特定の階における不審者の特定や追跡を迅速に行うことができます。さらに、貴重品が保管されている部屋や資料室など、特定のエリアを重点的に監視することもあります。

地域の法律や規制に従った設置を行い、プライバシー保護の観点から、公共の場所や隣人の敷地を無断で撮影しないようにしましょう。設置場所や録画内容がプライバシー侵害にならないように配慮し、必要に応じてプライバシーマスク機能を利用することを検討してください。

また、防犯カメラを設置する際のポイントとして、以下を考慮する必要があります。

  1. 視界の確保:防犯カメラを設置する際には、まずカメラ範囲に建物や植物などの障害物がないことを確認し、死角を最小限に抑えるように配置します。
  2. カメラを設置する高さ:通常、カメラは地上から2.5〜3メートルの高さに設置すると、人物の顔をはっきりと捉えることができ、かつ物理的な破壊やいたずらから守ることができます。
  3. 照明条件:カメラが逆光にならないように注意し、直射日光や強い照明がカメラのレンズに直接当たらないように調整します。逆光や強い光源がある場所に設置する必要がある場合は、ワイドダイナミックレンジ(WDR)機能付きのカメラを選ぶことをおすすめします。これにより、カメラは光の変化に適応し、常に鮮明な映像を提供することができます。また、夜間の監視が必要な場合は、赤外線機能が搭載されたカメラや低光量・低照度対応カメラを選ぶことで、暗所でもクリアな映像を取得できます。
  4. 配線の取り扱い:配線が露出していると、故意に切断されるリスクがあります。できる限り壁や地面に埋め込むか、専用のカバーを使用して保護しましょう。屋外に設置する場合は、耐候性のあるケーブルを使用することをおすすめします。また、屋内の場合、天井や壁の中に配線を隠し露出しないように設置すれば、美観を損ねず、誤作動や事故の防止にもつながります。またケーブルはできるだけ短くし、配線経路を合理的に設計することもポイントです。このことにより、信号の劣化や遅延を防ぎます。

※Wi-Fiなどを利用する「ワイヤレス(無線)カメラ」の場合も、電源供給のための配線が必要になることが多いため注意が必要です。十分な信号強度を確保し、通信が途切れにくい設置場所を選定します。また、電磁干渉(EMI)を避けることも重要です。電源ケーブルや大型電気機器から適切な距離を保つことで、ノイズの影響を最小限に抑えることができます。また、シールド付きのケーブルを使用することも有効です。

※停電や電圧変動への対策として、無停電電源装置(UPS)やバッテリーバックアップシステムを導入することで、電源の安定供給を確保できます。

 

防犯カメラの運用と管理のポイント

録画方法:常時録画、動体検知録画、スケジュール録画

一般的な録画方法には、「常時録画」「動体検知録画」「スケジュール録画」の3つがあります。

常時録画は24時間体制で録画を行い、全ての映像を記録するため、重要なシーンを逃さずに済みます。一方、動体検知録画は動きがあった時だけ録画を開始するため、ストレージ容量を節約できます。スケジュール録画は、時間帯をあらかじめ指定して録画を行う方法で、業務時間外などの特定の時間に映像を録画します。

 

データの保存方法:ローカルストレージとクラウドストレージ

データ保存の方法には、「ローカルストレージ」と「クラウドストレージ」があります。

ローカルストレージは、カメラ本体、接続されたDVR(デジタルビデオレコーダー)/ NVR(ネットワークビデオレコーダー)、またはSDカードやハードディスクに直接データを保存する方法です。この方法はインターネット接続を必要とせず、データ管理が容易ですが、保存容量に限界があります。

一方、クラウドストレージは、インターネットを介してクラウドサーバーにデータを保存する方法です。ローカルストレージと比較してデータの安全性が高く、容量制限を気にする必要もありません。しかしながら、月額料金が発生する点に注意してください。

またデータの保護も重要なポイントです。データ紛失に備えて定期的にバックアップを取る必要があります。その際に、データの保存期間も考慮しましょう。用途や目的により異なりますが、一般的には最低でも30日間はデータを保存することが推奨されています。クラウド保存の場合、保存期間が過ぎたデータは自動的に削除されるので注意が必要です。また、ローカルストレージの場合は、自動的に削除する機能をオンにすることで、ストレージの容量を有効に使うことができます。

データの検索・再生機能も考慮しましょう。録画データを効率的に検索できる機能を備えたシステムを選ぶことで、必要な映像を素早く見つけることができます。これには、タイムライン検索、イベント検索、人物や車両の識別機能などが含まれます。これらの機能を活用することで、録画データの管理が容易になります。

 

セキュリティ対策方法:アクセス権限付与、ソフトウェアのアップデート

防犯カメラの設置後、セキュリティ上の対策において考慮すべき点があります。

まず、カメラのアクセス権限を適切に設定しましょう。初期設定のパスワードを必ず変更し、強力なパスワードを使用することが重要です。また、定期的にパスワードを変更することも推奨されます。特にクラウドストレージを使用する場合は、第三者による不正アクセスを防ぐため、データを暗号化し、アクセス制限を設定しましょう。

次に、ソフトウェアのアップデートを怠らないことが大切です。メーカーが提供する最新のソフトウェアアップデートを定期的に適用することで、セキュリティの脆弱性を最小限に抑えることができます。特に、AIを搭載した防犯カメラの場合、新機能やセキュリティパッチが頻繁にリリースされることがあるため、これらの更新を見逃さないようにしましょう。

 

防犯カメラの設置後の注意点

防犯カメラ設置後は、定期的なメンテナンスが大切です。

カメラの映像が正常に記録されているか、画質に問題がないかを確認しましょう。カメラを定期的に清掃することも忘れないようにしましょう。屋外に設置されたカメラは特に、風雨や埃でレンズが汚れやすくなります。汚れたレンズは映像の品質を低下させるため、定期的に専用のクリーニングキットを使用して清掃を行います。

カメラの物理的な設置場所の確認も定期的に行いましょう。カメラが正しい位置に設置されているか、視界が遮られていないかを点検しましょう。

また、カメラの取り付け部や配線が緩んでいるなどの異常がないかを確認することも重要です。ケーブルの劣化や接続部の緩みがないか点検し、必要に応じて交換または修理してください。屋外に設置されたケーブルは特に、紫外線や風雨により劣化が早いので、年に1回は点検することをおすすめします。

最後に、インターネットに接続してクラウドストレージを使用している場合は、ネットワークの安定性もチェックすることが重要です。

以上のポイントを守ることで、防犯カメラの機能性を維持し、長期的に安定して運用を行うことができます。

 

トラブルシューティング:問題が発生した場合の対処方法

ここでは、防犯カメラの運用時によく発生するトラブルとその対処方法をまとめました。

カメラ映像が映らない場合

電源供給やネットワーク接続を確認してください。多くの場合、電源が入っているかやケーブルが正しく接続されているかを確認するだけで解決します。ネットワークカメラの場合は、ルーターやモデムの設定も確認する必要があります。ネットワーク接続が不安定な場合は、ルーターやモデムを再起動してみてください。それでも映らない場合は、ケーブルの交換を試みてください。

録画データが保存されない、または停止している場合

ストレージの容量不足や設定ミスが原因である可能性があります。ストレージの状態や設定を再確認してください。また、あらかじめ録画予約をしていた場合は、録画スケジュールが正しく設定されているかどうかも確認しましょう。

AI搭載カメラで頻繁にアラートが発生する場合

アラートが発生する条件設定を確認し、実際に必要な通知だけを受け取るようにしましょう。動体検知の感度を調整し直すことで、誤報による不要なアラートを減少させることができます。場合によってはカメラの設置位置や角度の見直しが必要な場合もあります。定期的に画角などの設定を調整・点検する(キャリブレーション)を依頼することをおすすめします。

 

補足:防犯カメラでおすすめの人気メーカー・取り扱い会社3選

1. SECOM(セコム)

セコムは多彩な監視カメララインナップを取り揃え、顧客のニーズに合わせた最適なソリューションを提供しています。

例えば、セコムのIPカメラは、セコムのセキュリティノウハウを活かし、AI技術を搭載することで、セキュリティ強化と監視業務の負担軽減を実現した高機能なカメラシステムです。

主な特徴は、監視するエリア内の人物が特定の行動をとると自動で通知するAI搭載の他、高画質なFull-HD(フルハイビジョン)撮影、暗所でも効果的なIR機能、WDR(ワイドダイナミックレンジ)による最適な明るさの映像記録、設置が簡単なPoE給電などが挙げられます。

その他にも、1台で全方位を監視できる360°カメラ、広範囲の空間を細かく監視できるPTZカメラなどを取り扱っています。

スマートフォンを介して専用アプリを活用することで、外出先でもリアルタイムの監視や録画映像の確認ができます。

参考資料:高機能監視カメラシステム セコムIPカメラ|セコム株式会社

 

2. Panasonic(パナソニック)

パナソニックは、家庭や企業のセキュリティニーズに応える先進的で信頼性の高い防犯カメラシステムを提供しています。

パナソニックにはAI技術を活用したネットワークカメラ・アプリケーションも販売しており、人物検知、顔・衣服特徴認識(属性検知)、車両識別などの高度な解析機能を搭載することで、監視業務の効率化・高精度化を実現し、犯罪の未然防止やセキュリティ強化に役立てています。

パナソニックの防犯カメラソリューションの特徴は、システム全体の運用管理が容易なことです。専用のスマートフォンアプリ(i-PRO Mobile APP)を利用することで、ネットワークカメラのライブ映像やレコーダーの録画映像を遠隔で監視・再生したり、アラームを受信することができます。

参考資料:

  1. AI人物属性識別アプリケーション|パナソニックコネクト
  2. AI車両属性識別アプリケーション|パナソニックコネクト
  3. スマートフォンアプリケーション|パナソニックコネクト

 

3. GROOOVE(グルーヴ)

GROOOVEは国内外の数多くのメーカーと提携し、様々な防犯カメラを取り扱っています。

防犯カメラ「街角まもるくん」は、街の安全強化に特化した防犯カメラソリューションです。東京都内を中心に導入されており、警察・自治会(町内会)・地方自治体による共同運用を目的に開発されました。高画質とブレの少ない映像技術を兼ね備えた細部まで鮮明に撮影できるモデルは、犯罪の証拠収集や事件の再現に威力を発揮します。また、夜間や暗い場所でも優れた性能を発揮する暗視機能を搭載した防犯カメラは、24時間365日監視ができて安心です。屋外設置用の耐衝撃性能を備えたモデルは防水・防塵仕様で、厳しい気象条件下でも問題なく動作します。

さらに、ブランドショップや小売店向けに防犯対策・顧客データ取得の両方を実現するAIカメラも取り扱っています。例えば、RetailNext(リテールネクスト)のAIセンサーを導入することで、従業員による不正防止に加え、店舗の売上を最大化するための顧客データや人流の取得ができます。

 

まとめ

本記事では、防犯カメラの選び方、設置場所、運用・管理方法といった基本的なことから、設置後の注意点やトラブルシューティングまで幅広く解説しました。これらのポイントを押さえることで、防犯カメラの効果を最大限に引き出し、長期的に運用することができます。本記事の情報を、皆様の防犯対策や安心・安全な住環境の実現に、ぜひお役立ていただければ幸いです。

 


屋外防犯カメラ「街角まもるくん」があなたの街を守ります

「街角まもるくん」は、警察や自治会から運用の利便性が高く評価され、地域住民の安全を守るために様々な場所で導入されている屋外用防犯カメラです。

ランニングコストは電気代月額税込1,300円程(カメラ部 約800円、その他機材 約500円)です。設置に必要な電源ケーブルは1本のみです。

高精細400万画素センサーを搭載し、耐久性に優れ、赤外線LEDで夜間でも機能するため、24時間365日の街の防犯に適しています。

GROOOVEでは、各種防犯カメラ・IPカメラ・AIカメラシステムの施工・設置・保守を行っております。店舗、ショッピングモール、公共施設、在日米軍基地、病院など、幅広い用途に対応しています。また、カメラの特殊設置やニーズに応じたカスタマイズ、地方自治体様・町内会様の補助金申請サポートなども行っています。

カメラソリューションのリーディングカンパニーとして、これからも多くの方々に「ありがとう」と言っていただけるよう、取り組んでまいります。


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