小売業界において、AIカメラを活用した正確な入店人数カウントは、店舗運営の最適化において重要な役割を果たします。しかし、従来の方法ではスタッフを含む全ての人をカウントしてしまい、正確なスタッフ除外が難しく、データ解析が難しいという課題がありました。
本ブログでは、RetailNextのAIカメラに搭載されたスタッフ除外機能を活用し、精度の高い入店人数カウントを実現する方法をご紹介します。
目次
AIカメラによるスタッフ除外の重要性
従来の計測用のカメラやシステムは、入退店者全員をカウントするため、スタッフも含まれるケースが一般的でした。この課題は顧客の入店状況の正確な解析や売上データとの関連性を把握する際に障害となります。
人数カウントにおけるAI技術の役割
AI技術は、店舗内で働くスタッフと買い物をする顧客を区別することを可能にします。小売業界においては、店舗運営の効率化やマーケティング戦略の最適化において、こうした機能は重要になってきます。
RetailNextのAIカメラは最新のAI機能と画像解析技術を活用しており、スタッフを正確に除外することで、この課題を解決します。
RetailNextのAIカメラの機能と特徴
AIによる精度の高いヒト解析技術
RetailNextのAIカメラは、AIによる画像解析技術を駆使して、人の動きや特性を詳細に捉えることが可能です。これにより、店舗を訪れる顧客を95%以上の精度でカウントすることができます。また、人の動きを追従する高度なAI技術を用いて、スタッフと顧客を区別した人数カウントを実現します。例えば、店内のスタッフの特定の移動パターンを解析することで、顧客とスタッフを自動的に分類することができます。
最適なAIカメラの設定・配置方法
RetailNextのAIカメラを効果的に活用するには、以下のポイントを押さえた設定や環境整備が重要です。
- カメラ設置位置の最適化:入退店口や顧客・スタッフの動線がくまなく取得できるような位置に設置します。AIカメラが遠すぎたり近すぎたりすることによっても精度に影響が出るため、設置高の確認も重要です。
- 照明の最適化:照明の明るさや位置はデータ取得精度に影響を及ぼすため、調整します。
- 障害物の排除:店内の什器やディスプレイ、ミラー・ガラスの反射などがデータ取得に影響を及ぼすため、位置を確認します。
- リアルタイム解析:迅速なデータ処理を実現するためのリアルタイムデータ取得をオンにします。
スタッフ除外の具体的なアルゴリズムと対策
RetailNextのAIカメラには、スタッフ除外を行う特別な機能が備わっています。弊社ではRetailNextのアルゴリズム(*)を最大限に活かすため、以下のステップを踏み精度の高い解析を実現しています。
- スタッフ識別アルゴリズムの利用:レジ付近での滞在や特定エリアの頻繁な移動など、スタッフ特有の行動を識別するアルゴリズムを有効化する。
対策例:
- カメラの画角設定・調整:店舗入口や特定エリアにカメラを設置します。
- 動きの解析とマッピング:顧客の移動パターンのみをカウントし、在庫整理などで特定の場所を移動するスタッフを除外できるように調整します。
- データ精度チェック:AIカメラを設置した後も、オーディットと呼ばれるデータ取得精度の確認と調整を行います。
*RetailNextの人数カウントのアルゴリズムとしては、トラフィックラインを大きく跨ぐ人の移動や滞留を抽出します。スタッフ特有の行動パターン(例:レジ付近での長時間の滞在やゾーンの範囲内の動き、特定のエリアからの移動や出入り)を学習し、カメラ画角に映り込むスタッフをAIセンサーが自動的にカウントから除外できるように設定します。この機能と弊社での設定により、顧客とスタッフの違いを識別しながらデータを取得し続けることができます。
RetailNextのスタッフ除外機能を活用した小売店の事例
【基本編】入店カウントからのスタッフ除外
小売店Aでは、顧客の入店傾向を把握するために、RetailNextのAIカメラを導入しました。以前は、赤外線カメラを設置していたものの、スタッフを含む全ての人がカウントされていたため、正確な顧客データが得られず、店舗運営に影響が出ていました。
導入の目的:
来店者数を正確に把握し、混雑する時間帯や曜日などを分析するため、AIカメラの導入を決定。
取り組み:
店舗エントランス・従業員専用の入退店口を含む店内全域にAIカメラを設置し、RetailNextのアルゴリズムでスタッフを除外する設定を適用。
導入結果:
- スタッフ除外後の入店データを基に、顧客の入退店に関する分析が向上。
- 忙しい時間帯のスタッフ配置を最適化し、レジ待ち時間を30%削減。
【応用編】スタッフと顧客を分けて抽出し、接客数をカウント
小売店Cでは、店舗運営の効率化を図るため、スタッフの接客時間や接客の頻度を計測することが課題でした。そこで、RetailNextのAIカメラを活用し、接客数のカウントとスタッフのパフォーマンス分析を行いました。
導入の目的:
繁忙期のスタッフの接客状況を可視化し、接客効率を高めること。
取り組み:
- スタッフと顧客を分けて動線を取得。接客中のスタッフの行動パターンをAIが学習することで、顧客とスタッフを区別して接客数をカウントできるように設定。
- 特にスタッフの移動回数が多かったエリア、顧客の滞留が多いエリア(例:接客カウンターや試着室周辺)や立ち寄り場所を特定するなど、スタッフと顧客の双方の動きを解析することで、ベストな接客ポイントを割り出す。
- 曜日・時間ごとのスタッフの接客回数や、入店人数の増減に対する接客数の比率を算出する。
導入結果:
- 接客パフォーマンスデータを基に、スタッフの業務内容や人数、位置などを最適化できた。
- 接客効率が高く最もコンバージョンが取れるパターンを基準にしたトレーニングプログラムを実践した結果、店頭スタッフの接客効率が15%向上し、顧客アンケートでは満足度のスコアも10ポイント上昇した。
- 接客数と売上データを関連付けることで、接客が売上に与える影響を定量化できた。
関連記事:AIカメラを利用した接客分析のコツ
株式会社GRoooVEは、RetailNext国内導入実績No.1
株式会社GRoooVEは、日本におけるRetailNext施工実績No.1のリードパートナーです。RetailNextが日本市場に進出する以前から、本社チームと密接に連携し、店舗計測に関わる最新の情報を海外と共有するだけでなく、日本のユーザーからのフィードバックを基にプロダクトの進化に貢献してきました。
これまでに国内で800店舗以上、海外で5店舗以上のRetailNextプロジェクトを手掛け、現在もその実績は拡大を続けています。また、入店人数カウントに加えて、スタッフと来店客の個別動線分析など、多岐にわたるノウハウを蓄積し、RetailNextと共有しています。
まとめ:RetailNextのAIカメラ「スタッフ除外機能」を活用する
RetailNextのAIカメラは、小売店における入店人数カウントとスタッフ除外をともに実現する画期的なソリューションです。店舗に最適なAIカメラを導入し、適切な設定を行うことで、運営改善に役立てることができます。
RetailNextに関するご相談やお見積りのご依頼は、株式会社GRoooVEまでお気軽にお問い合わせください。
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